
やらないといけないことに追われている人
職場では会社の人に認めてもらうために、人よりも一生懸命仕事をしないといけない。
家で仕事に関係する資格を取るために、勉強しないといけない。
これからのグローバル社会を考えると、英語を勉強しないといけない。
やらないといけないことがありすぎるよ…。
僕はやらないといけないことに追われすぎて、休職した経験があります。
休職するとなったとき「なんて自分はダメな人間だ…」と落ち込みました。
世の中の人たちは、
「あれもやって、これもやって、何でもやりながらも頑張って暮らしている。
僕は大したこともしていないのに、なんでこんな風に休んでいるんだろう」
と。
そんな風に悩んでいたので、「しなくていいリストなんてあるの?」とタイトルに惹かれました。
phaさんがどんな人かを軽く紹介した後に、特に役に立った章を紹介します。
しないことリストの著者、phaさんとは?
著者は京大卒でありながらニートとして有名なphaさん。
phaさんは京大を卒業したあとに就職し、3年間働いた後にニートになった経歴があります。
それまでは「みんながやっているから」という理由で、いい大学に入って就職。
しかし、好きではない仕事をこのさき何十年も続けるのは無理だと思い、ニートになることを決めたそうです。
「京大を卒業したのにニートになるなんてもったいない…。」という風に言われてきたこともあると思います。
それでも、自らしないことを選んできたphaさん。
phaさんだからこそ書ける本だと思いました。
しないことリストの内容
本書には、36個の「しないことリスト」が書かれています。
さらに36個を大きく4つに分類して紹介しています。
- 所有しないリスト
- 努力しないリスト
- 自分のせいにしないリスト
- 期待しないリスト
36個と細かくリスト化してくれていますが、しなきゃいけないことに振り回されないためには、共通して次のふたつのポイントを抑えることが必要とのことです。
- 他人や世間の評価で行動を決めるのではなく、自分なりの価値観を持つこと
- 他人や世間のペースに無理に付いていこうとせず、自分のペースを把握すること
それでは、36のリストの中から僕の心に残った章を紹介していきます。
しなきゃいけないことの99%はしなくてもいいこと
本の冒頭にこんな言葉があります。
いわゆる「しなきゃいけないこと」の99%は「本当は別にしなくてもいいことだ」。
この言葉を読んでから「自分はしなきゃいけないことをしてきたかなぁ?」と自分の人生を振り返ってみました。
すると、僕は小学生のころから、
「いい子でいなきゃ」
「周囲の期待にこたえなきゃ」
と思って生きてきたなぁと。
小・中学校では、好きではない習い事を両親に辞めたいと言えずに続けてました。
周囲の目を気にするあまり、自分で自分を縛りつけるようになり、
そのころから「自分はこうしなきゃいけない」と考えるようになっていきました。
その後の高校・大学受験では、「いい学校に行かなきゃと」ムリをしてましたね。
そこでも理想通りの学校に行けてしまったため、その後もずっと自分で自分を縛っていた気がします。
そういうことがあったので、僕は「みんながやっていることは自分もできて当然」と思うようになっていきました。
「しんどいと感じることでも我慢してやらなきゃ」と。
結果的に、社会人になって適応障害で身体を壊すことになるのですが、そこまではそう信じていましたね。
なので、
いわゆる「しなきゃいけないこと」の99%は「本当は別にしなくてもいいことだ」。
という言葉を読んだときにとても気持ちが楽になりました。
「僕がしなきゃいけないと思っていたことなんて、しなくてもいいことだったんだなぁ」と。
頭の中だけで考えない
頭の中だけで考えないという章があります。
この章の中で認知療法という言葉を初めて知りました。
気持ちが疲れてしまうと、悪い方に悪い方に考えてしまうような状態になってしまいます。
認知のゆがみと言うそうですが、
頭の中だけで考えていると認知のゆがみが出やすくなります。
そんな時は、アウトプットすると考えのゆがみに気づきやすくなるとのこと。
僕は休職し始めのころ、家の中にこもってずっとモヤモヤしていました。
そのときにこの本を読んで、考えをメモ帳に書き出すようにしたのです。
そこから、「自分の今の状態」や「なぜ適応障害になったのか」を冷静に考えることができるようになりました。
原因を分析できるとモヤモヤしたものが晴れます。
モヤモヤが晴れると、気持ちはだいぶ楽になりましたね。(症状はすぐに良くはなりませんが)
だるさを無視しない
僕の適応障害の初期症状は身体のだるさでした。
結果的に、適応障害になってしまったので、今なら身体のだるさを無視してはいけないことが分かります。
しかし、当時は気がつきませんでした。
それに、人に「だるい」と言ってもなかなか理解されません。
- 「寝れば治るでしょ」
- 「みんなだるいけど我慢してるよ」
- 「気合でなんとかなる」
多くの人は、そうしているうちに身体のだるさが無くなるのかもしれません。
しかし、ストレスに弱い人は違います。
phaさんは次のように説明していました。
ストレスに弱い人間のほうが状況のおかしさを一番早く察知できる。
今だからより納得できます。この通りだなと。
身体がだるくなるには、何かしらの原因があるんですよね。
ご飯は食べれる、よく眠れている、家ではストレスは特にない、そうなったら仕事で何かしらムリをしていると言うこと。
今回経験して分かりましたが、だるいと気づいた時点で対策を打てないと症状はドンと重くなります。
「今月は休めない」と考えていると手遅れになる可能性があります。
だるいと感じたら、休みを取りましょう。
絶望しない
この章は全文引用したいくらい、いいことが書かれてると思います。
その中でも1文だけ引用させてもらいます。
人生において、本当にどうしようもない取り返しのつかないことはそんなにない。
ダメな状態になると「なんて自分はダメな人間なんだ」としか思えない状態になることがあると思います。
そのときには、小さいことでも取り返しのつかないことのように思ってしまい落ち込んでしまいます。
ただ、冷静に見てみるとダメなことなんて全然なくて、気にしなくてもいいような小さいことだったりします。
このような「ダメ人間」モードに入ったときには、寝たり、何もせずにひたすらダラダラしたりして身体を休めましょう。
とは言っても社会人だと、仕事があるのでそうはいかないかもしれませんね。
スケジュールに問題がなければ、「ちょっと体調が悪いんで…。」とか言って有給を取ってみたり、スケジュールがきつかったら、体調が悪いことを匂わせて仕事を少し引き継いだりして、有給をとっていいのではないかと思います。
「ダメ人間」モードのときは、仕事の生産性も下がりますし、簡単なミスをしてしまったりして、さらに凹んでしまうので、いっそのこと休んでしまった方がよかったりしますから。
しないことリストまとめ
- しなきゃいけないことの99%はしなくてもいいこと
- 頭の中だけで考えない
- だるさを無視しない
頑張りすぎて疲れてしまった人は、一度読んでみるといいと思います。
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