著者は、南海キャンディーズ、山ちゃん。
2006年に出版された「天才になりたい」を全ページにわたって改稿した本になります。
(それにしても、帯の若林さんのコメントが酷いですね。笑)
読んでいる最中の感想は、「山ちゃんよくこんな本出したな…。」でした。
そう思うほどに、山ちゃんは結構やらかしてます。「山ちゃんいくらなんでもそれは酷すぎでは…。」と。
ただ、そういったことを告白できるのが山ちゃんの魅力なのかも、とも思ったり。
なので、この本を読んで、山ちゃんを嫌いになる人もいるでしょうし、反対に大好きになる人もいると思います。
ちなみに、僕は後者でした。
「天才はあきらめた」のタイトルの理由
山ちゃんの中の「天才」の定義は以下になります。
自分は何者かになる。そんな、ぼんやりだけど甘い夢のような特別な何かを容易に見つけられて、何者かにたどり着くため必要な労力を呼吸のようにできる人、それが天才なんだと思う。
参照:「モテたい」という隠れ蓑
自分がなるほどと思ったところは、「必要な労力を呼吸のようにできる人」というところです。
僕の中での天才は、「努力をしないでも、人並み以上のことをできてしまう人」でした。
だから、天才は努力しないみたいに思っていたんですよね。
でも、山ちゃんの中では、天才も努力はする。
だけど、その努力を努力と思わないようにできる人が天才であると。
前置きが長くなってしまいましたが、本書は2006年に発売された「天才になりたい」の改稿本です。
2006年は「天才になりたい」と思っていた山ちゃんが、2018年には「天才はあきらめた」。
本当は、意識せずとも努力をできるようになりたかったんだけど、自分は呼吸をするように努力することはできないと悟ったんだと思います。
つまり「天才はあきらめた」んですね。
しかし、それがきっかけで、山ちゃんは醜い感情をエネルギーに変える天才になっていきます。
自分たちよりも面白い芸人さんがいたら、努力のエネルギーに変える。
自分たちにに対して理不尽な態度を取ってきた人がいたら、努力のエネルギーに変える。
当然のことながらイケメンの人がいたら、努力のエネルギーに変えているはずです。笑
「天才はあきらめた」の内容
本書の内容ですが、山ちゃんが芸人を目指すところから、吉本の養成所に入り、南海キャンディーズとして活躍するまでの軌跡が書かれています。
その中で、僕が印象に残っているのは次の2点です。
- 山ちゃんの努力の天才っぷり
- 山ちゃんの暴君っぷり
努力の天才っぷりについては、本書の多くから学ぶことができますので、次の章で心に残った言葉を引用しています。
次に、山ちゃんの暴君っぷりですが、吉本の養成所に入ってから発揮されます。
南海キャンディーズとして、しずちゃんと組む前に、2組のコンビを組んでいたのですが、その相方に対しての接し方が酷すぎて…。
そこだけを読んだら、山ちゃんのことを嫌いになる、もしくはさらに嫌いになってしまうかもしれません。それくらいに酷いです。笑
ただ、そうではなくて、これだけ人気になっても過去のことを包み隠さずに告白できるのはすごい!と思えるかもしれません(僕はどちらかと言うとこっちの方が強かった)。
良いこと悪いことも含めて、山ちゃんの感じたことや経験したことが書かれているので、すんなり読めました。
若林さんのナナメの夕暮れもそうでしたが、本人の感じたことを隠さずに書いている文章というのは、心に響くような気がしますね。
「天才はあきらめた」から学ぶ努力の方法
「劣等感は最高のガソリン」って言葉すごいですよね(サムネイルの帯に書いてあります)。
自分も、「先輩社員にTOEIC600点持ってても、英語話せないんだろ?」と言われて、カチンときてTOIEC800点を取得したことがありました。
そのときには完全に負の感情を努力に変換したのですが、そのような気持ちで努力したのはこのときだけです。
山ちゃんは常にそのようなエネルギーの変換をしている、しかも意識して変換しているのがすごいと感じました。
そんなわけで、以下では、天才はあきらめたの中から、山ちゃん流の努力の方法を学べる言葉を引用させてもらいました。
努力をしないといけない状況でも、努力から逃げるための言い訳は、いくらでも作れてしまいます。
そんなときには、これらの山ちゃんの言葉を思い出して、努力できるようになりたいものです。
「天才はあきらめた」から引用した言葉
どんな些細なことでも、小さい自信を貼り付けていく。それを繰り返していくと、結構立派な張りぼてが作られていった。「張りぼての自信」の完成。
参照:「お笑いやってみたら」
自分の行動をしっかりと目的に結び付けて、褒めてあげる。
その貯金を、目標に向かう途中で、壁にぶつかるたびに使う。
こういう「自分って駄目なんだなぁ…」という無駄な悩み時間をスタートさせてしまいそうなとき、この貯金をちょっとずつ崩して自信を保っている。
くよくよタイムを短くさせることがいかに大事かを自分に言い聞かせた。
参照:全ては芸人になるために
脳内にはありとあらゆる過去の自分の失敗や、他人の成功などを引っ張り出してはゴールを目指さないように囁いてくる「逃げさせ屋」が現れる。
そいつが頭に出てきたときには、シンプルに「うわ、逃げさせ屋が来た。じゃあこれを無視したら何者かになれるんだ!」と声に出して、作業に取り掛かる。
参照:「逃げさせ屋」を無視する
退路を断ったおかげで頑張れたときには、そこに橋をかけるようなイメージでサボりたい気持ちに従って、休む。それをしっかりとご褒美と感じながら。そしてその橋を壊すことで、またしっかり努力を始める。
参照:大阪怖い!
焦ることが駄目でも、反対に行動しないという選択肢を取ることは一番駄目なことだ。
焦りをパワーに変えて、どう行動に移すかをめちゃくちゃ考える。
参照:芸人養成所という魔鏡
前向きな戦いを挑んで例え失敗しても、それを続けるための言い訳は立派な武器だと僕は思っている。ただ、言い訳は心折れるのを防ぐためだけに留めなくてはいけない。努力をしなくなるようだったら、それは悪質な言い訳になる。
参照:暴君山里
何の意味もないかもしれないが、止まっていないという事実は大事だった。
しかし、それ以外の人はこの世界に向いていないという答えを出すと、その瞬間にそれは「サボる理由」に変化してしまう。だから、必死でその答えを無視するために、逃げるという選択肢なんて思いつかないくらいの努力をしようと思った。
参照:偽りでも天才になりきる
本来天狗だったら酒を飲んでいたのを鼻を折って作業の時間にできたときには、僕は2倍の時間を手にしたというふうに考えていた。そして自分を褒めた。
参照:伸びる天狗山里の鼻
「〇〇のために△△する」という考え方が僕は好きで、今イチやることにモチベーションが上がらない場合、この空欄に明確なことを入れると、結構動けて、やる気になれた。
そもそもモチベーションなんて上がっていないのが普通なのだ。モチベーションが上がっている状態っていうのは、あの国民的兄弟キャラのゲームの中で言うとスターを取っている状態。ただのラッキーで、モチベーションが下がってる状態が通常なんだから、常として頑張らないといけない。
参照:圧倒的な敗北感
何か心揺さぶられるくらい嬉しかったことがあったら、才能というタイトルをつけて自分の項目の中に入れる。
参照:マネージャーを志願する男
嫉妬をガソリンに変える。そして、サボる理由がなくなったことを喜ぶ。そう思い込ませた。サボらなければ自分にもチャンスがあると思うことで、努力に使う時間を圧倒的に増やせた。そうだ、いいんだ、頑張れるんだ、と言い聞かせて嫉妬の炎でエンジンを燃やし続けた。
参照:嫉妬は最高のガソリン!
努力をし続けると、過去を振り返って「あのせいで駄目なんだ」という考えよりも「あのおかげで得をした」と考えることで得るものが多くなる。
参照:M-1グランプリ2004スタート
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます
